ソグネフィヨルド 

    
 
 


 車窓の景色を全く楽しまないまま、
 ローカル列車の終点のミュールダールに着きました。
 そこからは、登山列車に乗り換えて、
 フィヨルドの入り江の街フロムに向かいます。
 
 地球の歩き方に「登山列車は右側の座席をキープ」
 と書いてあったので、
 ダッシュで乗り換えて、右側の座席を陣取りました。
 
 ところがスタートすると、後ろ向きにバックして行きます。
 うちらが陣取ったのは、きっちり左側だったのです。
 まさか、今まで登ってきた山を
 次は潔く、下るとは思いませんでした。
 
 フィヨルドは渓谷なので、
 山の頂上が目的地というわけではないのでした。
 ミュールダールの街から、反対側に下ったところに、
 フィヨルドの入り口がある、というわけです。
 
 この登山電車でも、
 車窓から景色を楽しむことは出来ませんでした。
 山を1時間ほど下って、
 フィヨルドの入り江の街、フロムに到着しました。
 
 そこから本日のメイン、
 ソグネフィヨルドをクルーズします。
 乗り継ぎ時間が90分あったので、
 フェリー乗り場を確認しに行きました。
 
 掲示板に「3番ピア」と、表示されています。
 3番ピアにいたスタッフに、チケットを見せ、
 出発を確認しました。
 そしてそこが見えるレストランで、昼食をしました。
 
 ところが、出発直前になっても、
 船が来ません。何人かは並んでいます。
 どしゃ降りの中、走って行って、従業員に聞くと、
 「それは1番ピアに泊まっているあの船だ」と言います。
 
 なんでやねん!
 掲示板には3番て表示してあるやん!!
 と、叫ぶこともなく、走って飛び乗りました。
 船内は、すでに満席で、席はありません。
 デッキは雨で、寒いし、立っていられません。
 
 そこから2時間のソグネフィヨルドのクルーズを
 それなりに楽しみました。
 レインコートを着て、外に出たり、中に入ったり、
 鞄を持ったまま、うろうろしました。
 
 雨が悔やまれますが、
 それはそれで、神聖な空気でした。
 地球の裏側まで、これを見に来たわけですが、
 さて、必見と言うほどではありません。
 
 フォトジェニックな景色ではありません。
 すごい〜〜、とか、きれい〜〜、
 とか叫ぶ場所ではありません。
 
 でも、200kmも続くフィヨルドは、
 なにかしら、ずし〜〜んと、
 訴えかけてくるものがありますです。
 それは、モンゴルの草原もそうでした。
 
 吹き抜ける風や雲の流れ。
 ゆっくりと飛ぶ鳥。
 水の音やにおいを
 存分に身体に浴びました。
 
 

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